2014年10月29日水曜日

未来的か有機的か。

東京オペラシティ アートギャラリーで開催中の「ザハ・ハディド Zaha Hadid」展を見てきました。(12/23まで)


2020年に開催が決定した東京オリンピックの会場となる〈新国立競技場〉国際デザイン・コンクールで話題の建築家の展覧会で、広告のメインビジュアルも新国立競技場のデザインイメージのドローイングです。

新国立競技場の建設にあたっては未だに予算や建築規模、景観など様々な問題が取り上げられ、果たして本当に実現するのか?という状況の中での展覧会ですから、どういった主張があるのか楽しみでした。

展覧会の構成は「初期の作品や計画」、「世界各国のプロジェクトからスタディを含む模型や映像」、「プロダクトへの展開」、「新国立競技場」の4部構成。

建築家の展覧会でありながら図面がほとんどなく、ドローイングや模型、メイン展示室の大きな壁面に映し出されるマルチプロジェクターの画像など、ビジュアルに訴えるものが多く、ザハ氏の作品の特徴でもある有機的な造形の特徴が感覚的にとらえられる展示は、建築関係者でなくても見やすい構成。
ややイメージに偏りすぎているかな?という印象は受けましたが。

話題の新国立競技場の展示に関しては、見慣れたCG画像のパネル展示で計画の変更点に触れる訳でもなく、展覧会決定後の建設問題の加熱を考慮した苦肉の策だったのか、主催者側からの主張は控えたのでは?と思わずにいられないもので、事前に期待しすぎたせいか物足りなさを感じました。

それでも他に類をみないザハ氏の作品に触れ現代の建築や都市のひとつの方向性を考えるきっかけとして意味ある展覧会でした。

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