2013年8月31日土曜日

ウミガメを考える

最近の新聞記事に伊東市の川奈沖で昨年からアオウミガメが定着しているというニュースがありました。
伊豆は関東で人気のダイビングポイントがたくさんあるところですから、ダイバーにも人気が高まっているようです。

ウミガメはワシントン条約で国際取引が禁止され、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでも絶滅危惧種、近絶滅種などに指定されています。

日本でも各地で保護を目的とした活動が多く行なわれていて、子ガメ放流会で子ども達が海に子ガメを放す姿はニュースなどでもおなじみですね。

この子ガメ放流会。
すべてではないでしょうが保護活動になっていないものも多くあるようです。

ウミガメの子ガメは、大型魚や海鳥などの捕食者に狙われないよう、夜に孵化して海へ向うのですが、多くの放流会は観光客のため昼間に実施されたり、孵化後24時間以内が一番元気で沖まで泳げる子ガメを、放流会に合わせ孵化後時間が経過しているため、体力がもたず岸に打ち上げられてしまうなどの問題があります。

もともとは砂浜で人によって踏まれることから守るために卵を保護したのですから、自然に近い状態で海へ返さなければ意味がありません。
観光のためではなく保護を第一に考えて欲しいですね。

今回の記事にはアオウミガメがIUCNで絶滅危惧種に指定されていることには触れていました。
野生生物の話題がニュースとなることはとても良いことですが、「話題」だけでなくその生物をとりまく周囲の問題や警告も含めてニュースになることはなかなかありません。
この川奈のウミガメも一定の場所に定着しているということはその環境が気に入っているのでしょうから、ダイバーが押し掛けたりしないように願っています。

>>WWFのウミガメ関連の記事

ウミガメの繁殖や保護・研究活動では名古屋港水族館が有名。
大きさ毎に分けられた子ガメ水槽や回遊水槽を泳ぐウミガメの群れなど「ウミガメ水族館」と言ってもいいほど充実なので必見です。
館内には人工砂浜が作られ毎年繁殖に成功しています。


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