国立新美術館で開催中の「貴婦人と一角獣展」に行ってきました。
フランスの国立クリュニー中世美術館の至宝である「貴婦人と一角獣(一角獣を連れた貴婦人)」の連作は、1500年頃の作品とされ、ゴシック後期の優れたタピスリーとしてデザイン史でも登場するメジャーなものです。
過去にこの作品がフランス国外に貸し出しされたのは1974年のメトロポリタン美術館のみという貴重な機会。しかも連作の6面すべてが来日するのですから開催前から注目の展覧会でした。
会場は円形に近い展示室を作り6面のすべてが見渡せる構成。メインの展示室の周囲には回廊式に展示室が作られ、モチーフの動植物の詳細や当時の関連する彫刻やステンドグラスが展示されてはいるものの、あくまでメインはこの6面のタピスリーだというのがはっきり見て取れる展覧会でした。
ごく小さなパネルで織り方による輪郭の強調やボカシの解説がありましたが、グリッドの基本ともなる経糸(たていと)に絵柄を創りだす色彩階調としての緯糸(よこいと)の関係というのは、デジタルの画像とまったく変わりないというのも発見でした。
会期終了間近ですが必見です。
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