上野の
東京藝術大学大学美術館で「
FENDI」の展覧会が開催されているという情報がありました。芸大でFENDIというのが何かありそうに感じたので詳細もわからず行ってみました。
「FENDI-UN ART AUTRE 〜フェンディもうひとつのアート、クリエイションとイノベー ションの軌跡〜」という展覧会。(4/29まで)
ファーのクリエイションにおいて第一人者である「FENDI」の世界観がファッションデザインの観点と職人技との視点で展開されています。
会場にはFENDIの職人が常駐(日本語が堪能)し、解説もしてくれました。
展示のすべてが感心することばかりですが、中でも一番感心したのが「レットアウト」という技術。
毛皮はサイズに自由度がないため、特に小さいミンクなどはデザイン的に長い毛皮が欲しい際、毛皮に細かい幅でV字カットを入れ、その後長さ方向にずらしながら縫い直すと表からはまったく毛皮の風合いが変わらず長い毛皮を作れるというもの。直角をV字にすると長くなるということで、ストレッチ素材である皮革だから可能な技術ですね。言葉では説明が難しいのですが、これを実際に見本を見せて解説してくれます。
同じようにテンなどの細いものは逆にずらして縫い直し幅を出す「レットイン」という技術もあるそうです。
会場を賑やかに飾るファーのドレス群や
カール・ラガーフェルドのインタビューよりもこの職人さんの解説が面白かったです。
素材の探求とデザインを可能にした技術がこれほどすごいものとは知りませんでしたので、ブランドとしてのFENDIを見る目が変わります。一見の価値有り。久しぶりに興奮した展覧会でした。
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