2013年2月10日日曜日

脳と視覚


武蔵野市立吉祥寺美術館で開催中の「中ザワヒデキ展 脳で視るアート」を見てきました。(2/17まで)

中ザワヒデキ氏は医学部出身で眼科医局勤務経験を持つちょっと変わった経歴を持つ現代美術家。イラストレーターという印象も強いですね。

アートは視覚的情報に頼っている部分が大きい表現メディアなので「眼」との関係は確かに重要。さらに「眼」で捉えた光の情報を「脳」で処理することが「視る」という行為ですから、その脳に注目して視るということを考えたアートですから面白くないわけがないです。

作品は大きく5つに分かれ、それぞれにコンセプトが詳しく説明されていて、それぞれ感心。中でも「灰色絵画」と題されたシリーズは併置加法混色を脳で行なうというコンセプトでとても面白い作品でした。現代美術の表現ジャンルのひとつであるコンセプチュアルアートは観念的な側面ばかりが目立って作品として美しくない、面白くない(好き嫌いもありますが)といったものも多くありますが、中ザワヒデキ氏の作品は美しくて面白い。顔をしかめず素直に楽しめる展覧会です。

ところで展覧会の作品には、ひとつひとつにキャプションが付けられていて、タイトルの下に「○○美術館蔵」「個人蔵」など所蔵先が書かれていますが、今回の展覧会では珍しく個人蔵→個人名で表記。そこに知人のイラストレーターである「都築潤所蔵」の文字を見つけてびっくりしました。

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