3/25まで
庭園デザイナーの重森三玲氏の手がけた庭園の代表作とそのデザインした庭園に込めた美意識を探る展覧会で、会場に原寸大模型を再現したことでも注目の展覧会です。
数年前に京都の東福寺にある庭園があまりにモダンなことを知って見に行ったことがあるのですが、その時は重森三玲氏の名前はまだ知らず、今回の展覧会ではじめて日本の庭園史を体系化した功労者であり、同時に近代の庭園デザイナーとしてあまりに有名な存在だということを知りました。まだまだ勉強不足です。
目玉の原寸大模型については、ワタリウム美術館の特殊な展示空間のせいもあってか、現地で実物を見たことがある人にとっては物足りなさというかもどかしさを感じましが、展覧会の会場で上映されていた庭園の映像などは、実際に現場に訪れても見ることのできない角度から撮影されていたり、また一般公開されていない庭園などの展示もあるのでこうした展覧会の機会はとても貴重です。
空間でありながらインテリアのように人が空間に内包されるのではなく、あくまで客観的な視点から鑑賞するというところに美意識を求める絵画的な日本庭園の特色に、更に重森氏のモダンなデザイン感覚が加わりグラフィックデザイン的な感覚を感じました。
デザインの学習にはこうした直接的ではない分野の刺激が必要だと改めて感じた展覧会です。庭園をめぐるツアーも盛況なようでやはり現物を目でみたいと思う人が多いのですね。関西方面へ行く時にはぜひ訪ねたいと思いました。
2007年3月に京都の東福寺方丈庭園(北斗七星の庭/八相の庭/小市松の庭)に訪れた時の写真。日本の意匠である市松模様が何とも言えないモダンな表現となっています。
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