東京都写真美術館は3フロアの展示スペースがあり、通常はそれぞれで異なる写真展を開催していて、それぞれの企画のコンセプトが当たりとはいかないのですが、先日まで開催されていた3企画は、方向性がどれも異なり見応えのあるものでした。
1月29日まで開催されていた「日本の新進作家展vol.10 写真の飛躍」は、副題に「そこに原点がある」と題されるように、フォトグラム、ピンホールカメラ、コラージュ、多重露光、露出といった写真手法の原点を生かした写真ばかりが展示されていました。
これらの技法による写真は、デジタルによる画像処理でも表現できる画像効果ですが、あえてアナログな手法をとることで生まれる偶然性などが表現の深みとなって現れているように感じます。
デザインの分野でも写真はひとつの表現方法として活用されますが、デザイン学校の授業でも画像処理としての表現に頼りがちで、撮影技法と写真表現についての考察についてはまだまだ足りないということに気付かされた展覧会でした。
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