2011年12月14日水曜日

夜の街へ撮影に

2年制のデザイン学校では、卒業後にさらにデザインの知識と技術を深めるための「研究生課程」がありますが、この研究生課程には、授業とは別に2年次までにはない「ゼミ」があり、参加する研究生たちは自らのデザイン表現を探求していきます。

街中がクリスマスで賑わう12月。
ゼミのひとつである「写真ゼミ」では、夜間撮影を学ぶため、イルミネーション撮影に出かけました。

事前に都内のイルミネーションをインターネットでリサーチして、比較的広範囲でバリエーションがありそうな六本木地区に決定。
東京ミッドタウン六本木ヒルズの2箇所を撮影しながら回りました。

野外撮影の中でも夜間は昼間に比べ光量が少ない上、見た目に華やかなイルミネーションは写真では淋しくなりがちなので実は結構コツが必要です。

イルミネーションを楽しんでいる人も多いので、他の人の迷惑にならないようにするのも重要。混雑しているところ、通路が狭い所では三脚は使わないというマナーも大切ですね。

イルミネーション撮影全般で比較的注意したいのは、見た時の印象を大切に光溢れる画面作りをすること。
そのために構図と露出の2つはとても重要です。

写真にすると目で見ている以上に周囲のものが写り込んでいるので、光が重なり合う角度を探したり、ガラス面や水面に写る角度などを探したりして、画面内に光を多く入れる構図を取ります。

また、露出はオートでもいいのですが、光そのものを撮影するためカメラが「明るいもの」を撮影しようとして「絞り込んで」しまい、ライトが「光の点」になって淋しい写真になってしまうことが良くあります。

多くのカメラには「露出補正」という機能があるので、この機能を使って「+側に補正」すると光が明るく輝くのでぜひ試して下さい。

<東京ミッドタウンのスターライトガーデン>
LEDが広範囲に濃い密度で広がり比較的きれいに写りやすいので、構図はタテヨコ両方押さえるといいです。
ひとまわりしてみてベストポイントを見つけたら、順番待ちしてでも最前列に行きたいですね。演出で光の変化があるので、タイミングを見計らって撮影。

<ミッドタウン内のサンタツリー>
全体とサンタのアップの2種類を撮影。
全体像では細かいサンタは見えないので、ツリーの足下や背景のバランスを考えた構図を探します。
サンタのアップは望遠で撮影。
望遠撮影では撮影位置をちょっとずらすだけでも背景が大きくズレるので、目当ての被写体と背景の光などの位置関係を考えて撮影。
写真でははじめに狙った構図では太鼓のサンタの顔側に明るい背景が来ていて、顔が溶け込んでしまったので、背中側に明るい背景がくるようにして輪郭を強調しています。
また、ホワイトバランスを調整して黄色みをやや押さえ、サンタの赤白がボケすぎないようにしています。


<六本木ヒルズのけやき坂>
今回学生からのリクエストであった「車のテールランプを流す撮影」に挑戦。
カメラを固定しスローシャッターで撮影することで移動する光(車のテールランプ)が光のスジになります。
車のボディは発光していないためほとんど写真には残らず、すっきりした写真になるので交通量の多い夜景では効果的です。
三脚をたてていないので、橋の手摺や植え込みの柵などにカメラを置いて撮影。
シャッタースピードは2〜3秒で撮影。


<六本木ヒルズのけやき坂と毛利庭園>
けやき坂は歩道から斜めアングルだとちょっと淋しくなりがちなので、思い切ってLOUIS VUITTONのブティックを背景に入れ、画面全体を明るく撮影。光の色が暖色と寒色のコントラストなので効果的。
毛利庭園の「滝」をモチーフにしたイルミネーションオブジェは水面との境界部分だけを切り取った構図で光溢れる状況を撮影。


一箇所で張り込んで試行錯誤しながら撮影するので結構時間がかかったり、思うような写真がまだまだ撮れなかったりしましたが、基本的な注意事項が確認できたので、またじっくり挑戦して欲しいですね。

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