2011年5月30日月曜日

見送りでもいい

デザイン学校の先週の授業ではル・コルビュジエに触れたばかりでしたが、翌日の新聞に「コルビュジエまた見送り」の見出しで記事が掲載されていました。

ここ数年湧いているコルビュジエ建築の世界遺産登録関連の記事で、「国立西洋美術館を世界遺産に」のスローガンで打ち出されているので、西洋美術館だけの話と思っている人も多いようですが、フランス政府とル・コルビュジエ財団が中心となって、各国に散らばる代表的なコルビュジエ建築を一括してユネスコ世界遺産リストに登録させようという活動の一環です。

2008年に国立西洋美術館を含んだ6カ国22の物件が「ル・コルビュジエの建築と都市計画」として世界遺産に推薦され、2009年の第33回世界遺産委員会では「情報照会(世界遺産としての価値は認められるが登録には追加情報提出と再審議が必要)」決議となり登録は見送られました。

今回は物件の再検討が行われ、物件を19件に変更してのリベンジでしたが、ユネスコの諮問機関であるイコモスが世界遺産リストへの不記載を勧告したため推薦とりやめが検討されているとのことです。

どうもこの流れを見ていると、各国の物件をまとめているために、かえって遺産登録の意義が薄れているように思えてなりませんが、専門家の方々はどのように感じていらっしゃるのでしょうね。

世界遺産に登録されてもされなくても国立西洋美術館の基本設計をル・コルビュジエが行ったこと、ル・コルビュジエによって日本の近代建築が大きな影響を受けたこと自体は何も変わりませんので、今後も静閑していきたいと思います。

国立西洋美術館はル・コルビュジエ設計の本館は420円で入場できますし、所蔵作品を含み、館内は写真撮影ができますので、学生さんにはぜひゆっくり見て欲しいと思います。

企画展「レンブラント 光の探求/闇の誘惑」展は6/12まで開催され、企画展の入場券で常設展も観覧可。

1 件のコメント:

  1. レンブラントを観に行った際に常設展や、建物自体を紹介する常設場も観てきました。

    レンブラントのものっすごい人だかりにクタクタになりましたが、常設展や美術館自体の建築も面白いですね!

    建築物に関しては素人ですが、解説を読みながら歩いたら、「美術作品の体内を歩いている」ような感覚で面白かったです。

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