先日訪れた「横須賀美術館」ですが、なかなか見所満載の美術館なのでレポートです。
美術館リーフレットでも「ここがみどころ―10のポイント」とかなりマニアックな紹介もありましたが、実際に現地で特に面白かったポイントを紹介します。
美術館の外観で一番目につくのは、ガラスで作られた直方体の空間の中にもうひとつ丸味を帯びた空間が内包されていること。
自然光の取り込みや照度のコントロール、海からの塩害対策から生まれたこの構造は視覚的にもインパクトがありました。
ガラスと白い展示空間の間の800mm程度の空間には鉄骨の柱が等間隔に並び、天井部では鉄骨が格子状に組まれ構造的な様子が観察できました。
(このすき間空間は立ち入れないのが残念です。)
展示室内部は壁と天井がゆるやかなカーブでつながり、随所に空いた穴から差し込む自然光を効果的に反射しています。
特に通常は3面がぶつかる天井角の曲面の仕上がりが素敵です。
美術館のパンフレットによると、この展示室は溶接した鉄板によって目地のない平滑面を作っているそうです。
何よりも作品の背景となる壁や天井にはとても有効な効果となっていました。
屋上庭園へ向う螺旋階段の途中からは、天井と展示空間の間の構造が観察できます。
支えが規則的に並ぶ様はとても魅力的な空間を作っていました。
(あまり止まって見ている人はいませんでしたが)
そして屋上庭園。緩やかな斜面に建てられた低層な美術館の特性を活かし、屋上でありながら、海との近さを感じる素晴しいコンセプトの建物です。
最近訪れた別の建築物でもこのような2重構造のデザインを見たばかりでしたので、その記憶もあって興味深く観察できました。
横須賀という土地柄、東京からは決して行きやすい場所ではありませんが、是非一度は訪れたい美術館です。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。